スパ郎SEXX

terufafa2005-05-21

ガラスを通して見える学校の水辺でスズメの交尾。大きめのスズメの鈴木さんが小柄の松子の上に覆いかぶさる。「ああ、やめて鈴木さん!」「ええやんええやんなあなあ松子。そんなに嫌がることあれへん」「だってそんな、アタシ昨日ヤスオさんと別れたばっかりやのに・・・」「そんなもん関係あらへん、ぐへへ・・・」
スズメはあんなにかわいい顔してるからセックスなんてしないと思ってたらちゃっかりやることやるなんてコノコノ!!まったく照れちゃうじゃないのさ!べんべん。

それ見て土井さんが呟く。
「ご盛んですねえ」そう言った途端に前の彼女の顔を思い出した。正確に言うならば前の前の彼女。時は西暦2001年、ボクと彼女の初めてのデートで、なんかの流れから兄弟は何人かという話になり、うちは荒くれものの弟がひとりいるよ。と。のちの愛琉の父親だよ、と言った。そしたら彼女はうちは4人兄弟、お兄ちゃんが一人と妹と弟。「あらそう、それはまたご盛んですねえ」と言ったら、え?なに?それどういう意味?みたいな顔をされてその瞬間ダメだこいつと、そういう烙印を押したことを思い出した。土井さん嫌なこと思い出させてくれてありがとう、そしてさようなら。

そして今日は授業終わったあとに土井さんと限りなく不毛に近いブルー(憂鬱)な時間を過ごす。最近の土井さんの口癖は「人生は死ぬまでの暇つぶし」とやらで、無性に気に入っているらしく、彼がそれを言うたんびに「まったくその通り、うまいこと言うねえ」と言ってやるのもそろそろ疲れてきた。けれど、やはり人生なんてのは間違いなく死ぬまでの暇つぶしでしかない。なんか最近の土井さんはウディなんとかみたいなこと言ってて素晴らしい。土井さんはこれまでは二人でいてもいつもPCを開くような秋葉系のキムタク(気難しいオタクの略)さんだったので、土井さんと二人で飯を食いにいくのなんて苦痛で仕方なかったのに、ここ最近は純粋に楽しく笑いながら飯を食える。笑い飯という感じ、というのはちょっと違う。

飯を食いながら土井さんが言う。言語についての勉強をしているボクに言ったのだろう。もしかしたらボクが手に持っているココアに対して言ったのかもしれない。
「人生なんて電車を待つ時間と一緒さ、そこで君は本を読んでるんだ」
「ふん」
「けど俺はその時間に本なんて読みたくない」
「じゃあなにをして待つ?」
「傘でも振ってバッティングの練習をしたいんだよ」
「?」
「つまり、いろいろ試行錯誤したいってこと。挑戦と言ってもいい」
「試行錯誤のうちに人生は終わる」
「本だって読み終わらないさ、一向にね」
「だろうね」
「結局は、その程度のものでしかないんだ」
そう言うと満足そうに土井が笑い、世界が嗤った。

途端に屁をこいた。
手に持ったココアが一瞬淀んだ。

明日は小島麻由美のライブでも見て、いつ来るか定かでない電車を待とうと思う。

(5月21日 1時30分)