長々と、メタファー

今朝、ボクのへその下あたりを巨大な直下型地震が襲った。

公式な発表によるとマグニチュードは8.0を超える最大級のもので、阪神大震災に匹敵するほどの巨大な地震となった。不気味に響くぎゅるるるという不穏な音とともに、腸を中心としたボクの内臓たちはあっさりと崩れていき、その影響からか突然の大津波が襲ってきた。そしてその津波は巨大な洪水となり、ドス黒い大量の液体が淡いピンク色したトイレに溢れることとなった。最初の地震発生から1分後、さらに巨大な余震が発生し、津波は第二波、第三波、最終的には第五波まで続いた。この地震によってもたらされた被害は体、特に腹部を中心に生じた致命的な痛みだけでなく、精神的ダメージや大幅な時間のロスにも及ぶなど、これまでにないほどに甚大なものとなった。気象庁が発表するところによると、その原因は様々なものが考えられるものの、夜中に飲んだよく冷えた牛乳がその地震を引き起こした、という説が最も有力なところらしい。政府は今回の災害に対して特別対策本部の設置を検討したが、被害が一個人にしか及んでいないことを考慮し、その設置を見合わせることとなった。首相のコメントによると、大変な被害が生じ残念に思っている。しかし国家の重要な予算を彼一人のみに割くことは法の下の平等を標榜する日本国の望むところと合致しない、と前置きをしたところで、辛いだろうし同情もするが、そこは彼が頑張るしかない、頑張れ。という一応の励ましの声明をだしている。この発言に対して国民は、首相のコメントを一応は指示するとと同時に、一部では彼に正露丸やヤクルトなどの救援物資をカンパし、空輸によって届けるという動きも起こっている。彼はそういう動きに対して「本当に心の底から感謝するが、それらが届く前に死ぬかもしれない・・・」という、体の弱った人間にはありがちな、ネガティブかつ大げさなコメントを残している。専門家によると今後も余震の可能性は否定できず、被害者である男性にとっては一瞬の油断が命とりになるとのことで、今後も一切の予断を許さない状況にあるようだ。

今回の地震のケースをもとに、我々日本国民は突然の災害に対して冷静な判断を欠くことなく対処することの重要さを学ぶべきであり、さらには、夜中に冷えたものを飲まない、腹部を暖かくして寝る、などの災害を未然に防ぐということを日頃から意識的に行っていかなければならない。

そんなわけでボクは授業に大幅遅れ、課題を出し損ね、正露丸の鼻をつく刺激臭を必死で隠しながら友人たちと対峙するはめになった。今でも右手を鼻にかざせば刺激臭が漂い、明日からの人間関係に大きな不安が残る。冷えた牛乳の馬鹿野郎!

ホットミルクを飲みながら。(5月11日 22時30分)