ちなみに、ノアルスイユ先生が訴える風紀条例

一、男女の服装を改めて、淫蕩的な部分、とくに尻がほとんどすっかり露出するようにする。
二、ローマのフローラ競技場に倣った催しを設け、そこで若い少年少女に裸踊りさせる。
三、公民学校で、道徳や宗教の原理の代わりに、自然の原理のみを教授させる。男であれ女であれ、十五歳になって恋人ひとりも見つからないような子供は、すべてその体に烙印を押され、世論の名において卑しめられる。そして女の子なら、永久に結婚ができないように、男の子なら、いかなる地位にも就けないように、宣告を受ける。恋人のいない青年は、男であれ女であれ、せめて自分が春をひさぎ、もう処女でも童貞でもないことを証明する証明書を提示しなければならないだろう。

以下、こんな感じで九まで続く。
悪徳の栄え」 マルキ=ド=サド著 澁澤龍彦