打球がライトスタンドをひとまたぎ

今日は過去について話す。ボクがフィンガーファイブの一員だった頃の話だ。あの頃の日本はバブルの真っ最中で、指をちょっと動かしさえすれば5億が入るというところからフィンガーファイブという名がつけられた。

活動期間中の世界情勢はというと、中国では毛沢東がとち狂い、フランスではチョコボールが流行った。そしてアメリカにはレニングラードカウボーイズが訪れ、スペインでスペイン舞踊が一世を風靡した。そんないい時代だった。

我々フィンガーファイブの主な活動は表向きには歌を歌って日本の人々に勇気と希望と消費概念を与えることであったが、本当の活動は義務教育の普及である。その最も顕著な表れが「学園天国」というあの曲なのであるが、あの曲は当時の文部省が我々フィンガーファイブに強く依頼して実現した名曲である。あの曲以外の活動としては全国各地の小学校に赴き、給食を生徒たちと共にするであるとか、ドッヂボールに混ぜてもらうだとか、いじめられっこをいじめるだとか、そういう活動を通して、全国に義務教育の素晴らしさとその義務教育が導く未来への栄光を説いてまわった。

いわば我々は、布教師だったのである。ふっくんちゃうで〜〜。